2023 Limited Ed. 12「Sleeping Woody」

12月になり、一気に冬が来て体がびっくりしております。山の半分が白くなり、その下はまだ紅葉で木々が色づいていて秋が夏と冬に圧縮されてしまったようです。永遠に夏なのかと思うくらい暑い日々も、もはや懐かしいです。

寒くなりましたがジンはお湯割りなどでも美味しく飲めますので、気温や気分などでいろいろな飲み方を試してみてはいかがでしょうか?「sleeping woody -眠れる森の木々-」私は勝手に、木々は眠っているという印象を持っているのですが皆さまはいかがでしょうか?
山の木々の中、喧騒のない世界がそう思わせるのかと思います。今回はそんな山の木々からリミテッドエディションをお届けします。

メインに使用したクロモジは爪楊枝やお茶などに利用されていますが、最近ではクロモジを使用したジンやビールも続々と登場しています。県内産のクロモジの枝を洗浄、カットしてから蒸留するのですがコラムの段数を調整しながら良い状態を探っていきました。

レモンに似た香り、甘いフルーツの香り、生姜のような辛味のある香りなど多様な香りが複雑に存在し、かつ個体差がまあまあある感じで自然に触れるとはこういうことなんだなと蒸留しながら再認識しました。

これとは別にバスケットを使用して、クロモジ、モミ、ローズマリー、ベルガモットなどを蒸留、最後にジュニパーベリー主体の蒸留をし、ブレンドしていきます。

こうして文章にしてみると意外にも爽やかな感じでびっくりしましたが、今回クロモジをどれくらいの濃度にするかが非常に難しく蒸留方法も含めてかなり悩みました。ついには四六時中考えて眠れなくなったのですが、そんな中でも木々は眠っていて声を聞かせてくれないんですね。

自分はクロモジのことを想って眠れないのに、そんなことを知らないクロモジは眠りから覚めないという人間ドラマのような世界観が自分の中でだんだん面白くなってきて、それをきっかけにアイデアが結構出てきたので結果良かったです。いや、本当に……だから名前もそれが元になってるよ……

ストレートで口に含むとジュニパーの後にクロモジの枝を折ったときの感じが舌にとけだすのが水面に映るクロモジの枝といった趣でしょうか、余韻が好きです。割材はわりと何でも合う気がします。

ソーダは甘味もありつつスッキリ飲めます。トニックで割るとソーダとは逆に辛味が引き立てられてキリッとして美味しいです。キナの風味を感じるトニックで割るとクロモジの樹皮感が増して少しクセが出ますがチーズと一緒に食べるととても合いそうなので試してみようと思います。

ああ、チーズ食べたい……

Limited Edition12の販売は12月15日(金)12時から