こんにちは、YASO蒸留家の杉川です。
ここのところ上越では深々と雪が降りつもり、冬が本番を迎えています。
今回は2022年2月のリミテッドについて。
今月は発売日がいつもと違い２月9日になっています。お気をつけください。
…と、お話しすると勘のいい方はお気づきかもしれません。
2月のリミテッドはチョコレートの原料「カカオ」のジン。
そう、2月14日はバレンタインデーです。
バレンタインデーに間に合うよう発売日が少し早めの今回のリミテッド０２カカオは
大切な人への贈りものやディナー、晩酌のお供にもぴったりなジンに仕上がっています。
あまり知られていませんが、実はチョコレートも発酵食品。
野草とカカオの発酵が織り成すハーモニーにより、他では味わえないジンになりました。
しかし、今回のリミテッドカカオ、実は試作が少しばかり難航したジンでもあります。
2月のバレンタインに向けたカカオのジンを作ろうと決め、まずはどうやったらカカオの香りがジンに表現できるのか実験。
数種類の品種をカカオの実の状態で入手し、豆の状態で漬けこんでみたり、粉砕して蒸留したり、漬け込んでみたり、皮を剥いて粉砕して…
色々と試行錯誤した結果、YASOのベースで蒸留するには皮を剥いてペースト状になるぐらいまで粉砕すると香りが出やすいということがわかり、コイン状になったカカオマスを採用しました。
次はカカオの品種選び。
実はカカオにも様々な品種があり、それぞれ香りや味、生産量などに違いがあります。
YASO GINのベースとなるYASO SPRITSは野草の香るスピリッツ。
このベースに対して、カカオの発酵臭が出過ぎるとバランスが悪くなってしまいます。
そのため、蒸留後に出る発酵臭が出にくく香り高いカカオを求めて、
蒸留責任者である梅田部長が上越市高田にあるパティスリーオラランティで手に入れた、美味しいチョコレートの品種が今回使用した「アリバ種」でした。
赤道直下の国、エクアドルで栽培される希少な固有種であるアリバ種（ナシオナル種）は力強いアロマと華やかな余韻が特徴。
食べてみると、口に入れる前から香りたつ芳醇なカカオの香り、口に入れてから広がる力強い香りと苦味と酸味のバランスがよく、
「このチョコレートをジンにしたい」と満場一致で品種が決定しました。
蒸留についても、カカオの良い香りの部分だけを抽出するため、カカオのみ別で蒸留し、味と香りを確認しながらヘッドとテールを切っています。
文章にしてしまうと簡単にまとまってしまいましたが、ここまでの工程は思った以上にカカオの香りがでにくく紆余曲折がありました。
そんなこだわりのリミテッド02カカオはストレートやロックでも美味しいですが、炭酸で割ると香りがひらいて、より一層カカオの香りが引き立ちます。
甘みをつけないソーダ割りはお食事にもぴったりです。
よりチョコレート感を出したい時はトニックウォーターで割るか、ソーダ割りにシロップを少し入れてみてください。
優しい甘みがつき、チョコレートを感じるカクテルに仕上がります。
発売は２月9日です。
お楽しみに。
