2022 Limited Ed. 07「アールグレイティー」

私がダイアリーを書くのは数ヶ月ぶりとなりました。
お久しぶりです。YASO蒸留家の杉川です。
こちら新潟県上越市も蒸し蒸しと暑い日が続き、じりじりと汗ばむ陽気のこの頃。
新しい蒸留所は竣工の日が近づいており、蒸留チーム一同その日を心待ちにしています。

新しい越後薬草蒸留所の外観

7月の限定品はアールグレイティー香るジン。
ご存じですか?紅茶のアールグレイって、実はフレーバーティーの一種なんです。
その香り付けに使われるのが「ベルガモット」という柑橘。
今年の1月の限定品にも使用したあの香り高い果物です。

ダイアリーやSNS用の文章を書くにあたってアールグレイの由来などを調べてみたところ、
答えは「イギリスのグレイ伯爵からと言われているが詳しいことは諸説あり」。
はっきりとしたことは分かっていないのだそうです。
これだけしっかりと人の名前がついているのに、その由来が意外と曖昧なことに驚きました。
でも、そんな歴史的な根拠がなくても、その美味しさだけでこんなに世界中の人々に愛されているというのもなんだか素敵ですね。

村上紅茶

今回のアールグレイティーに使用した茶葉は新潟県村上市で栽培される村上紅茶。
新潟県の最北に位置する村上市の富士美園さんで栽培されるこの紅茶は「雪国紅茶」の名前でも親しまれ、県内のお土産屋さんなどでも販売されています。
冬が長く日照時間も短いという厳しい村上の環境の中で磨かれた技術により、渋みが少なくまろやかな味わいが特徴の和紅茶です。
村上市は塩引鮭で有名ですが、美味しい日本酒に美味しい紅茶まである本当に素敵な街。
個人的に、新潟に来られる機会があったらぜひ寄っていただきたい街のひとつでもあります。

黄色く熟した山田オリーブ園のベルガモット

そんなまろやかな和紅茶に合わせたのは、香川県小豆島の山田オリーブ園さんで栽培されるベルガモット。
1月の限定品にも登場したこのベルガモットですが、前回は青い皮の部分と葉を使用したのに対し、今回は収時期を遅らせた黄色く熟したベルガモットの皮と果肉を使っています。
黄色く熟したベルガモットは青いものよりもマイルドでフルーティな香りで、蒸留すると村上紅茶のまろやかな香りを優しく包み込むような仕上がりになりました。

ベルガモットの皮を剥く様子
ベルガモットの実を切る様子

暑い日が続くこの時期は、氷を入れてよく冷やしたグラスにアールグレイのジンとトニックウォーターを注ぎ軽くステアしたジントニックがおすすめです。
シュワシュワと弾ける炭酸の音にのせて、アールグレイがふわりと香ります。

紅茶のアールグレイはホットの方が香りがたつと聞くので、肌寒くなったらお湯割りなんかも試してみたいなあとも考えてみたり。
あと、アールグレイといえばミルクティーということで、ミルクを入れたカクテルも後日挑戦してみたいと思っています。

と言っても、私は全くのカクテル初心者のため素敵なジンカクテルやYASOのこんな飲み方美味しいよというお声をぜひSNS等で発信していただけると嬉しいです。
造っている私たち蒸留チームも、飲んでくださっている皆様のいろんな飲み方にいつもワクワクしています。

皮を剥いたベルガモット

ということで、7月の限定品はアールグレイティーのジン。
発売は7月15日(金)です。
おたのしみに。