「フローラルなジン&トニックをいただけますか？」

今年に入ってからbarでの1杯目はこれを頼むことが多かった。

リミテッドエディションとして様々な表現を提供していきたいとの思いから、どこかのタイミングで出したかった。

だが、日常の食事の中で花の香りの要素を味わうことは少なく、ならばフローラルなジンを飲もうと思い始めたわけだが、それぞれのbarでいただいたどのジンも人それぞれの解釈があり、それがとても興味深く、思いを巡らせるときも悩ましいというよりは楽しい感情でいられた。そして少しずつ解像度は上がっていき、方向性が見えてきたので今回挑戦した。

ストックしておいた素材の香りを嗅ぎながら、より具体的にイメージを膨らませていく。

甘い香り、重さ、濃度、苦み、清涼感などを確認しながら配合を考えていくが、その中の金木犀の甘みのある香りが今回の造りのベースになっている。

金木犀を軸にマリーゴールドタンジェリウム、ラベンダーベルガモット、メキシカンスイートハーブ、アンジェリカ、マートル、和薄荷、タイム、セージ、バジルなどをカゴに入れ、蒸気を通して香りと風味づけをしていく。

この蒸留液にジュニパーベリー主体の蒸留液を合わせるが、ジュニパーベリーの濃度がどのあたりが合うのか調整してブレンドし、トップノートのバランスをとるため最後にオレンジピールの蒸留液をアクセントに加えて仕上げる。

　　

金木犀を据えたことにより西洋ハーブを使用しているのにもかかわらず、どこか和を感じさせる香りと味わい。

このジン自体に甘味があるのでソーダで割っても華やかさを感じる。

トニックウォーターで割るとより蜜感ある仕上がりに。

　

　THE HERBALIST YASOのフローラルジン

　　　　　　「Jupiter bouquet」

　　　　　　　発売は10月15日