2024 Limited Ed. 02「Yellow Leaf Leap」

2月、暖冬かなと思いつつも寒い日は寒いし、ガラスの向こうでは雪がしんしんと降っていたりする。

降る雪に香りも音もなく、蒸留所のガラス1枚隔ててハーブの香りも作業する音もあるこの場所が、なんとも言えない不思議な空間に感じることがある。まるで外と中で世界が違うような。

「タイムリープ」
日本の小説やマンガなどで出てくる和製英語である。自身の過去や未来を行き来することを指すのだが、多くの作品では本人が現在の状態で過去や未来に移動するわけではなく、精神と記憶が過去や未来の本人に移動しているようだ。

私はあまり過去に戻りたいとは思わないが、こういった作品は好きなものが多い。大事なのはそれを使用した物語という軸であり、あくまでタイムリープは手段であり、目的ではないからだ。

2月のリミテッドエディションはyellow  leaf leapと名付けました。

イエローはレモンと春ウコンを、リーフは紅茶とトウヒを表しています。

この4つの原料をコラム塔を使用して蒸留したのですが、1回目はレモンとトウヒを強く感じる柑橘感とビターなテイストでした。これはこれで良いので2回目も同じ方法で行おうと思っていたのですが、ふと私は頭の中で春ウコンと紅茶が、レモンやトウヒと同じように出ている世界線を想像しました。

「4つの原料がもっと躍動してほしい」

1回目の蒸留中も心の中ではそう思っていたのかも知れません。

本当はタイムリープしたかったのですが私には無理みたいなので、2回目の蒸留では原料の量はそのままにしてコラムの段数と塔上部にある冷却水の量を調整して春ウコンと紅茶が強めになるようにして、1回目とブレンドすることで想像していた世界線になりました。

名前のリープはここからきています。さらにジュニパーベリー中心に蒸留したものを2種類(ジュニパーやハーブの割合などが違う)をブレンドして仕上げました。

針葉樹トウヒの葉が持っている少しトロピカルな要素とレモンのノートに春ウコンの甘い香り、紅茶の酸と甘みにジュニパーのビターなテイストを感じるジンになりました。

ソーダやトニックウォーター、ジンジャーエールで割って飲んでいただいたり、寒い日などはお湯割りで飲んでいただくこともおすすめです。

発売日は2月15日です。タイムリープ作品を見ながら一杯、いかがでしょうか。